CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

会社は法律を守らなければなりませんが、法律はあくまで大まかなルールを定めたものです。
法律にない細かなルールは会社自身で定めなければなりません。
その細かなルールを定めるのが就業規則です。
何かあったときルールがなくては困りますから、就業規則はしっかりと作っておかなければなりません。
そこで今回は、就業規則に必ず盛り込まなければならない内容や作成・届出する際の流れ、その際の注意点などについてお伝えしたいと思います。

 

就業規則の作成・提出義務のある会社は?

前述のとおり、就業規則は会社のルールを定めるものですから、あらゆる会社にとって作成するのが望ましいものと言えます。
しかし法律上、就業規則の作成・提出義務があるのは、「常時10人以上の労働者を使用する使用者」となっています。
労働者には、正社員だけでなく短時間労働者、有期契約労働者なども含まれます。
常時10人以上というのは、普段雇用している人が10人以上という意味です。
普段は8人雇用しているが、臨時的にさらに3人雇う、という場合はこれには該当しません。
また10人というのは、会社で雇用している合計人数ではなく、事業所単位で判断します。
したがって2拠点あってそれぞれ5人ずつ雇用しているという場合は、いずれの拠点でも作成・提出義務はありません。
一方で、10人以上使用する拠点が複数ある場合は、それぞれ就業規則を作成し、届出をしなければいけません。

 

就業規則に記載すべき内容は?

就業規則に記載する内容には、必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)と、当該事業場で定めがある場合に記載しなければならない事項(相対的必要記載事項)があります。
例えば表彰制度は相対的記載事項にあたり、制度が存在するのであれば就業規則に書かなければいけません。
まとめると以下のとおりとなります。

〇絶対的必要記載事項

  1. 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
  2. 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  3. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

〇相対的必要記載事項

  1. 退職手当に関する事項
  2. 臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
  3. 食費、作業用品などの負担に関する事項
  4. 安全衛生に関する事項
  5. 職業訓練に関する事項
  6. 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
  7. 表彰、制裁に関する事項
  8. その他全労働者に適用される事項

以上のように複雑な決まりがあるため、一から就業規則を作るのはとても大変です。
そこで1つの方法として、厚生労働省が出しているモデル就業規則を使うという手があります。
モデル就業規則は基本的に以上の事柄が網羅されています。

しかしモデル就業規則はあくまで多くの会社に向けて作られたものであるため、そのまま利用すると自社の決まりに合わない規定をそのまま使うということになりかねません。
それではルールとしての意味がなくなってしまいます。
例えば休職制度を設けるか、どんな時にどれだけの期間の休職を認めるかといったことは、経営者の考えや会社の慣習によってそれぞれ異なると思いますので、モデル就業規則をそのまま使うことは必ずしも適切とは言えません。

したがって、モデル就業規則を使う際でも、自社に合わない規則を削除し、また必要な規則を追加するということが必要になってきます。
これを自社で行うのが難しい場合は、社会保険労務士など専門家に依頼するのもよいでしょう。
>>厚生労働省モデル就業規則

 

就業規則の提出方法は?

就業規則を作ったら、次は届出をする必要があります。
なお「常時10人以上の労働者を使用する使用者」に該当せず、かつ就業規則を作成している場合、届出をする必要はありません。
ただしこの場合でも、後述の「周知」は必要となります。

届出は、管轄の労働基準監督署に対して行います。
届出の際は、就業規則届を作成しますが、届には過半数組合または労働者の過半数代表者からの意見を記入する必要があります。

常時10人以上の労働者を使用する事業所が複数ある場合、それぞれの事業所について就業規則届を作成する必要があります。
例えば東京と愛知にそれぞれ事業所があり、かつ労働者の過半数代表者から意見を記入してもらう場合、労働者の過半数代表者は東京の事業所で働くものから1名、愛知の事業所で働くものから1名をそれぞれ選出して、意見を記入してもらわなければいけません。

就業規則は通常全く同じものを2部提出します。
1部は受付印を押されて、控えとして返ってきます。

就業規則の本則とは別に、賃金規程や育児介護休業規程などを独立した規定として扱う会社の場合、それらも届出をする必要があります。

また就業規則等の内容を変更する場合は、その都度就業規則変更届及びどのように変わったのかが分かる書類を、労働基準監督署に対して提出する必要があります。

 

就業規則の周知について

最後に、就業規則は従業員に周知しなければなりません。
よく用いられる周知方法は、各作業場の見やすい場所に掲示する、または備え付けることです。
従業員が見ようと思えば見られる状態にしておかなければいけません。
電子的データとして記録し、かつ、各作業場に労働者がその記録の内容を常時確認できるパソコンなどの機器を設置する方法もあります。