CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

「ワークスタイル変革」とは、従来の働き方を抜本的に変える取り組み

「ワークスタイル変革」とは、これまでの働き方を一新し、好きな時間・場所で自由に仕事をすることによって、生産性向上やワークライフバランスの実現などを目指す取り組みを言います。

具体的には、街中のカフェなどでノートパソコンを使って仕事をする「テレワーク」、自宅から会社のサーバーにアクセスして仕事をする「在宅勤務」、オフィスで座席を決めずに仕事を行う「フリーアドレス」などの働き方があります。
近年、情報通信技術の発達やプライベートな時間を重視する風潮の高まりなどを受けて、このような自由な働き方を導入する会社が増えています。

ここでは、自由な働き方のメリットとデメリット、そしてワークスタイル変革を成功させるためのポイントについて説明します。

 

自由な働き方は、生産性を向上させることも、低下させることもある

自由な働き方を導入すると、会社、従業員それぞれに次のようなメリットがあるものと考えられます。

【会社にとってのメリット】

  1. 従業員の業務に対する集中力が高まるため、生産性が向上する
  2. 通勤手当の節約や事務所のスペースの縮小により、コスト削減が図れる
  3. (従業員満足が高まり)離職率の低下や優秀人材の確保が期待できる

【従業員にとってのメリット】

  1. 自分の好きな場所、時間に仕事ができるため、ストレスが軽減される
  2. 育児や介護と仕事を両立することが可能で、ワークライフバランスが向上する
  3. 通勤に要する時間を労働時間やプライベートな時間に振り向けることができる

しかし、この働き方は、次のようなデメリットが生じる可能性もあります。

【会社にとってのデメリット】

  1. 上司による指導・監督が行き届かないと、仕事をさぼる従業員、手抜きをする従業員が出てくる(生産性が低下することもある)
  2. 労働時間が長くなったり、深夜労働が増えたりして、人件費が増加する
  3. テレワークを行うためのノートパソコン代や通信費などのコストがかかる
  4. 社外で仕事を行う機会が増えて、情報漏えいリスクが高まる
  5. 職場のコミュニケーションが希薄になり、職場の一体感や帰属意識が低下する

【従業員にとってのデメリット】

  1. その場で上司や同僚の指導を得ることができずに、仕事の質が低下する
  2. 時間の使い方が自由すぎるために、生活のリズムが狂ってしまうことがある
  3. 会社とのつながりが疎遠になり、孤立や不安を感じる

このように自由な働き方には、メリットもデメリットもあります。
裏を返せば、ワークスタイル変革を成功させるポイントは、自由な働き方から生じるデメリットをできる限り抑えて、メリットを最大限に引き出すことにあるといえます。

 

ワークスタイル変革を成功させるポイントは、「勤怠管理、評価、コミュニケーション」

自由な働き方から生じるデメリットを抑えて、メリットを引き出すためには、次のような施策を行うことが必要です。

1.勤怠管理をしっかりと行う
自由な働き方を導入すると、「みなし労働時間制を適用しているから」などの理由で、厳密な勤怠管理を行わなくなってしまうことがあります。
こういう場合、長時間労働に陥る従業員、業務時間が夜遅い時間帯にずれ込む従業員が多く出現し、仕事の生産性が低下してしまいます。
日々の業務開始および終了時刻は、本人がスマホやパソコンなどを使ってシステムに登録し、上長はそれを必ずチェックすることが必要です。
自由な働き方を生産性向上に結びつけるポイントは、しっかりとした勤怠管理を行うことにあります。
2.仕事の成果をしっかりと評価する
普段の仕事ぶりを上司に見せる機会が少ないため、部下の立場からすると、自分が適正に評価してもらえるかどうか、不安を感じます。
この不安感が従業員のモチベーション喪失を招いて、生産性を低下させます。
自由な働き方を導入するのであれば、仕事の成果をしっかりと評価する仕組みも整備することが必要です。
3.定期的にミーティングに行い、コミュニケーションを活性化する
例えば、毎週水曜日の午前中に定例ミーティングを行い、従業員全員をそれに参加させます。
これにより、自由な働き方をしていても生活のリズムが狂うことが少なくなり、また、ミーティングの後に、同僚同士でランチをとることによりコミュニケーションを活性化し、一体感の醸成や孤立感の払拭を図ることができます。

国土交通省「平成26年度 テレワーク人口実態調査」によると、情報通信技術を利用し、自分の所属する部署がある場所以外で仕事を行う時間が週8時間以上あるテレワーカーは、全雇用者の15.5%を占めています。
今や、テレワークのような自由な働き方を導入し、ワークスタイル変革を実行している会社は、業種、規模を問わずに増加しています。

少子化の影響で労働力不足に陥ることが見込まれる中、日本企業は、生産性向上を図らなければ生き残ることはできません。
また、過重労働に対する社会的批判が高まる中、ワークライフバランスを実現しなければ、優秀な人材が集まる会社にはなれません。

みなさんの会社でも、将来を見据えて、今からワークスタイル変革に取り組んでみてはいかがでしょうか?