CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

女性にとって、妊娠・出産は人生の中で、とても大きな決断です。

近年の晩婚化等を背景に、働きながら不妊治療を受ける方は増加傾向にあります。 厚生労働省が行った調査によると、仕事と不妊治療との両立ができずに、16%の方が離職しています。

妊娠・出産したいと思った時期が、社員本人にとっての仕事上のキャリア形成の重要な時期であったり、会社にとっても、なくてはならない存在になる時期と重なる場合が多いという現状があります。妊活のために、退職を選択するようであれば、会社にとっては大きな痛手となります。

今回は、妊活の実態や妊活社員へ会社としての対応についてのヒントを解説します。

 

妊活とは

妊活とは、妊娠・出産を望む男女が妊娠・出産を想定したライフプランを立て、妊娠に関する知識を学び、妊娠にむけて体調管理を心がけるような、不妊治療を含めた妊娠・出産を目指す活動全般のことをいいます。

 

不妊治療に関する意識と実態は?

女性の初婚年齢平均は29歳を超え、ますます上昇を続けています。そのため、妊活を始める年齢も上昇しています。
子どもが欲しいと思ったタイミングで、すぐに妊娠・出産できるとは限らないため、仕事をしながら、長期間に渡って、不妊治療をすることもあります。

平成30年3月16日に、厚生労働省から初めて「不妊治療と仕事の両立に関して」調査結果が公表されました。
「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査事業」の調査結果報告書

その中では、不妊治療と仕事を両立している人のうち、両立が難しいと感じた人の割合は87%であり、難しいと感じる理由は、「通院回数が多い」、「精神面で負担が大きい」「待ち時間など通院時間にかかる時間が読めない、医師から告げられた通院日に外せない仕事が入るなど、仕事の日程調整が難しい」が多くなっています。

不妊治療をしていることを職場で伝えている(伝える予定の)人の割合は38%となっており、職場でオープンにしていない理由は「不妊治療をしていることを知られたくないから」、「周囲に気遣いをしてほしくないから」が多くなっています。 不妊治療をしていることを職場に伝えている人のうち、職場で上司や同僚から嫌がらせや不利益な取扱いを受けた人の割合は18%となっています。

不妊や不妊治療に関することで、社員自身から、会社に相談や報告があった場合でも、本人の意思に反して職場全体に知れ渡ってしまうことなどが起これば、プライバシーの問題に発展することもあります。

 

不妊治療とおカネの問題

不妊治療になった場合、経済的な負担はたいへん大きいため、それが原因で不妊治療をやめなくてはならない場合も少なくありません。 医療機関によっても異なりますが、人工授精には1回1万~3万円かかり、体外受精や顕微授精には1回20万円~70万円もかかることもあります。

全国の自治体で実施されている国の特定不妊治療(体外受精と顕微授精)の助成は、法律婚をしている夫婦が対象となり、治療を受ける時に妻の年齢が43歳未満であることが必要です。

その夫婦が、特定不妊治療を受けた場合、治療内容により、1回当たり15万円(初回の申請に限り30万円)または7万5千円の助成が受けられます。 回数は、初めて助成を受ける際の治療開始時の妻の年齢が40歳未満の場合、43歳に達するまで通算6回まで、40歳以上43歳未満の場合43歳に達するまで通算3回までです。

 

妊活と仕事の両立のために、会社が検討する支援とは?

体外受精、顕微授精を行う場合、特に女性は頻繁な通院が必要となり、排卵周期に合わせた通院が求められるため、前もって治療の予定を決めることは困難となっています。 また、治療は身体的・精神的な負担を伴い、ホルモン刺激療法などの影響で体調不良などが発生することがあります。 即戦力として働いている子どもを持ちたい妊活社員のために、会社としての支援体制として、以下のようなものが考えられます。

  1. 通院のための休暇制度を設ける
  2. フレックスタイム制を導入し、出退勤が本人の都合で調整できるようにする
  3. 時差出勤を設けて、勤務時間の始めまたは終わりにおいて、時間の時差出退勤を認める
  4. 時間単位で取得できる年休制度を導入し、不妊治療の通院に活用する
  5. モバイルワーク(テレワーク)を導入し、場所を選ばず、仕事ができるようにする
  6. 先輩女性社員のメンター制度導入し、妊活社員の相談サポート役として働きやすい職場風土づくり

柔軟な働き方を可能とすることによって仕事との両立をしやすくする取り組みのほか、治療費の補助や融資を行うなど、独自の取組みをおこなっている企業もあります。

 

モバイルワークやテレワークでの勤務とは?

「モバイルワーク」とは、顧客先、移動中、出張先のホテル、カフェなど、外出先で業務に従事する働き方です。 モバイルワークはテレワークの一形態で、働く場所によって「在宅勤務型テレワーク」、「モバイルワーク」、「サテライトオフィス勤務」の3つに大別されます。 テレワークとは、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことを指します。

「在宅勤務型テレワーク」とは、就労場所であるオフィスに出勤せず自宅で業務に従事する働き方で、通常、週1日~2日程度が多くみられますが、全日に渡って認める場合や半日だけ在宅勤務を認める場合もあり、会社によって、どのようにするか様々な形があります。

「サテライトオフィス勤務」とは、会社専用のサテライトオフィスなどで業務に従事する働き方です。業務に必要な通信環境や機能を実装することで、本来の就労場所であるオフィスと同様の業務遂行が可能となります。

最近はネット環境のある病院もあり、病院の待ち時間に仕事をされている方もいらっしゃるようです。

テレワークは、妊活中や妊娠・育児中社員のワーク・ライフ・バランスの推進に役立つだけでなく、企業にとっては、災害時などに事業が継続できるBCP(事業継続計画)対策、優秀な人材の引き留めに寄与することができます。また、社員にとっては、通勤時間が削減されることにより、通勤ラッシュのストレス軽減、場所や時間的な制約を受けず、自由な環境で業務に集中することができます。

テレワークに関しましては、以下の記事もあわせてご確認ください。

少子高齢化による人手不足による売り手市場により、子どもを産み、育てやすい会社なのかどうかで入社する会社を選ぶ時代になっています。会社がこれからも成長していくために、子育てのための制度を整備することも必要ですが、その前段階である、「妊活」に対しても、積極的に支援する 姿勢が大切だと言えます。