CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

仕事が忙しいと、休憩もとらずに仕事を続けてしまいがちですよね。この場合、休憩を取らなかった時間はどうなるのでしょうか。社員が休憩を取らなかったのだから、賃金を支払う必要はないのでしょうか。

また昼休みに電話番を頼むケースはどうでしょうか。結果的に電話がかかってこなかったら休憩時間として取り扱ってもいいのでしょうか。

今回は、間違えることが多い労働時間と休憩時間について解説します。

 

労働時間と休憩時間の違いについて

社員が会社で過ごす時間は、労働時間と休憩時間に区分されます。
「労働時間と休憩時間のちょうど中間のような時間」といったグレーな時間は存在しません。

例えば仕入れ先からの搬入トラックが遅れたために、社員の仕事が進められず、実質的に休憩時間と同様の状態になった場合を考えてみましょう。会社側からすると、社員は手を動かさず、じっと座っているだけなので、休憩時間として扱っても問題は無さそうに思えます。
しかし社員からすると、トラックが到着すればすぐに作業を開始しなければならないわけで、のんびりと休んでいる気分にはなれないと思います。このような作業の待ち時間は「手待時間」と言われ、労働時間として扱われます。仕事をしていないというだけでは休憩時間にはならないのです。

また休憩時間に、何らかの業務を遂行した場合は休憩時間ではなく労働時間として扱われます。名称ではなく、実態で判断されるということです。昼休みの電話番についても、電話がかかってきたらすぐに対応しなければならないという点で「手待時間」として扱われます。

飲食店の客待ち時間も同じです。「お客さんが来るまで奥で休んでいていいから」と言われても、常にスタンバイできる状態を維持していなければならず、勝手に外出することもできません。時間、場所など共に拘束され、労働から完全に解放されてはいません。

 

休憩時間2つの原則

休憩時間とは「労働から完全に解放された時間」です。

逆に言えば、労働から完全に解放されていなければ労働時間になるということです。
労働基準法(34条3項)には「使用者は休憩時間を自由に利用させなければならない」という条文があります。
これが「自由利用の原則」と呼ばれるものです。
仮眠時間であっても、その時間帯が完全に労働から解放されていなければ、労働時間になります。
判例などを見ると、仮眠室を設け、労働から完全に切り離さない限り休憩時間とは認められないようです。

自由利用の原則とは別に、「一斉付与の原則」(労働基準法34条2項)もあります。
「休憩時間は、一斉に与えなければならない」というもので、休憩は事業場単位で、一斉に与えなければならず、たとえばグループ単位、課単位にバラバラに付与することはできません。
バラバラに付与すると、休憩しない者が出るなど問題があるからです。
サービス業など特例的に一斉付与の原則が排除されている事業場もありますが、業務の都合で本原則を適用しないのであれば、別途労使協定の締結が必要となります。

休憩時間は1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上を労働時間の途中に与えなければなりません。
労働時間6時間ジャストであれば不要です。8時間ジャストであれば45分で足ります。
しかし残業によって労働時間を延長し、トータルで8時間を超える場合は、追加で15分の休憩を与えなければなりません。

休憩時間の長さについては特に制限はないので、分割して付与することは可能です。
また休憩を与える時間帯についても特段の規制がないので、労働時間の途中であれば任意に設定できます。通常は就業規則で休憩を付与する時間帯を定めます。
ただし休憩を与えない(社員が取らない)場合は、法違反になるのと同時に、所定の休憩時間は労働時間となり賃金の支払いが必要となります。「社員が休憩を取らないだけだ」という言い訳はできません。休憩を付与する義務があるのは会社だからです。

 

労働時間になるもの・ならないもの

労働時間・休憩時間の区分とは別に、労働時間該当性の問題があります。
労働時間該当性の問題とは労働時間になるか・ならないかの判断の問題です。たとえば始業前に制服に着替える時間は労働時間になるのか、出張先への移動時間は労働時間になるかといった点がよく問題になります。

労働時間該当性は、労働者が使用者の指揮命令下にあるか否かという判断枠組みで判断されます。着替えは一般的に、使用者の指揮命令下には無いと判断されます。
ただし労働安全衛生法などで使用者に社員への着用が義務づけられている場合、たとえば安全靴への履き替えなどは、労働時間となります。

出張先への移動については、多額の現金を輸送するなどの任務を帯びている場合を除いて、労働時間にはならないとされています。 忙しい社員だと終業時刻まで会社で仕事をこなし、その後出張先に移動し、出張先についたら深夜になっていたということもあると思いますが、移動時間が労働時間にならないことから基本的に残業代はつきません。
ちょっと不合理な感じもしますが、移動時間は場所的な拘束(列車に乗っているなど)がある以外は、完全に自由時間なので、仕方がないでしょう。