CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

長時間労働や休暇取得の妨げなどにより、労働者に身体的・精神的に過重な負荷を負わせる過重労働が、従業員の心臓疾患やメンタル疾患などの健康障害を産んでいます。

労働政策研究・研修機構の調査によると、労働時間が長い人ほど健康不安が高く、健康不安が高い人ほど能力発揮に対する自己評価が低下する傾向にあります。
労働時間の長さと健康不安によるパフォーマンスの低下は、生産性向上の阻害要因となっています。

労働契約法の第5条には、使用者の従業員に対する安全配慮義務が定められており、社員の生命はもちろん、健康や安全に対する使用者としての配慮が法的にも問われています。
企業が存続し発展するためには、従業員一人ひとりの「健康」を維持することが、仕事の現場での活躍や成長につながります。

企業の人事が従業員の健康を守るために取り組むべき、「健康経営」とはどのようなものなのか、メリットや健康経営の取り組み方について、勤務時間の見える化を含めて解説します。

 

過重労働によっておこる健康障害は、どのようなもの?

労働時間が長くなり帰宅が遅くなると、当然、睡眠時間は短くなり、翌日、睡眠不足の状態で疲労が回復せず、そして、さらに長時間労働が続くことにより疲労蓄積が増していくという悪循環を引き起こします。

労働安全衛生総合研究所の「長時間労働者の健康ガイド」によると、週60時間以上の労働は心筋梗塞の発症率を1.9倍上昇させ、1日5時間以下の睡眠は心筋梗塞の発症を2.5倍に上昇させることがわかっています。つまり、疲労や睡眠不足は心臓や脳の血管に負荷をかけ、突然死のリスクを高めてしまうのです。

従業員が脳・心臓疾患、精神障害などを発症した際に、労災認定は、発病前から6ヶ月前までの業務負荷の状態による結果が判断に大きく関わってきます。脳・心臓疾患の場合は、時間外労働が月45時間を超えると労災と認められる可能性が高く、特に月80時間を超えていた場合には高い確率で認定されます。

過重労働の末に、過労死や過労自殺につながってしまい、それが、今、深刻な社会問題になっています。
裁判によって企業側の問題が指摘され、高額の賠償金を支払うケースへと発展することで、ブラック企業としてのイメージにより企業価値の低下へと陥ってしまいます。

 

「健康経営」とはどのようなものですか? どんなメリットがあるの?

「健康経営」は、企業が従業員への健康保持増進のために行う取組みが、将来的に収益性等を高める「投資」であると考え、経営的視点で従業員の健康維持・増進を戦略的に実践することです。

企業が「健康経営」の理念に基づき、制度や体制を整えて、実際に運用していく中で、従業員の健康保持・増進が行われることは、労災防止、生産性向上、企業イメージ向上等様々な効果に寄与するだけでなく、医療費適正化にもつながり、ひいては企業業績等の向上にも寄与するものと考えられます。

経済産業省は、東京証券取引所に上場している大企業を対象として、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を「健康経営銘柄」として選定することで、企業の健康経営の取組が株式市場等において、適切に評価される仕組みづくりをおこなっています。
また、経済産業省は、優良な健康経営を実践している企業・団体を顕彰する「健康経営優良法人」を発表し、「ホワイト500」と呼ばれる大規模法人部門の認定法人235法人、中小規模部門では95法人が選ばれました。政府は2020年までに大企業や大規模医療法人で500法人以上の認定・公表を目指しています。

企業全体で従業員の健康づくりに取組むことを宣言し、協会けんぽや健康保険組合などに「健康優良企業」として認定された企業に対して、事業融資金利や資金調達の優遇、従業員向けの低利子ローンや金利の優遇、定期預金も店頭金利に上乗せするなどの優遇措置をおこなう金融機関もあります。

 

健康経営は、どのように取り組めばいいのか?

健康経営に取り組むために、健康経営を評価するためのフレームワークから企業としての取組みを考えてみます。

(1)経営理念・方針を明文化し、発信する
 1.企業経営における従業員の健康保持・増進の位置づけの認識
 2.従業員の健康保持・増進に関する経営方針などへの明文化
 3.企業トップ自らによる従業員の健康保持・増進に係る情報の社内外への発信

(2)従業員の健康保持・増進に向けた実行力ある組織体制を構築する
 1.従業員の健康保持・増進の推進統括する組織の形態を整える
 2.専門人材(産業医、保健師など)の活用

(3)制度・施策の実行
 1.従業員の健康保持・増進を行う上での従業員の健康状態や取組に係る課題把握
 2.メンタルヘルスに関する各種チェックの実施
 3.労働時間の管理のための制度や残業時間削減のため、労務管理の施策実施

(4) 評価・改善
 導入した施策の効果検証を実施し、改善の取組を行う

(5) 法令遵守・リスクマネジメント
 労働基準法などの関連法令による重大な違反に係る行政指導等への対応

企業が健康経営へ取り組みの第一歩としては、健康課題の把握のため、健康診断受診率を100%にすることやストレスチェックによる面接指導の実施、また、従業員の欠勤・遅刻、残業時間の管理のため、企業内で長時間労働のリスクが発生していないかどうか「労働時間の見える化」を始めてみてはいかがでしょうか。

勤怠時間の管理については、毎日の勤怠データをリアルタイムで見える化、また、月次勤怠集計も一瞬できる使い方がシンプルで低料金なクラウド勤怠管理システム「CLOUZA」がおすすめです。

社員に健康障害が起こってしまうと、ほかの社員にまで健康障害の影響を受けることになり、企業として正常な企業の経営ができなくなります。
特に少数精鋭で事業を回していかなくてはいけない中小企業こそ、従業員の健康維持・増進が積極的に取り組んでいくことが求められているのではないでしょうか。
大きな問題が起こる前に、対策を後回しにせずに検討を始め、具体的な対応を講じることが大切です。