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「過労死等ゼロ緊急対策」をご存知ですか?対策を徹底し、リスクを避けましょう!

「過労死等ゼロ緊急対策」をご存知ですか?対策を徹底し、リスクを避けましょう!

近年では、加重労働を防ぐなど、労働環境の改善をすることが企業の社会的責務であると強く意識されるようになり、さらに大手広告代理店に勤務する女性の自殺が労災認定されたのが大きな社会現象となったことで、ブラック企業を撲滅する動きが加速しました。

その中で、厚生労働省は「過労死等ゼロ」緊急対策を発表しています。
企業はこれらの対策を守らなければ、「ブラック企業」として公表されたり、監督署から指導や捜査を受けたりするリスクがあります。

そこで、今回はこの「過労死等ゼロ緊急対策」を中心に、企業に求められる対策を考えます。

 

「過労死等ゼロ緊急対策」とは?

平成28年12月に厚生労働省は「過労死等ゼロ緊急対策」を発表しました。
そこで、ここでは、緊急対策のうち、企業が取り組むべき内容について一つ一つ解説します。

・新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底

使用者向けに、「労働時間の適正把握のためのガイドライン」が新たに定められました。
労働時間の把握は、原則として使用者が現認するか、タイムレコーダーの客観的方法で行うべきであるとし、自己申告制の場合は特定の条件を満たさなければならない、などの内容を含むものです。

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・36協定未締結事業場に対する監督指導の徹底

「36協定」とは、会社が従業員に法定時間外・法定休日労働をさせる場合に、事前に届け出るべき「時間外労働・休日労働に関する協定」のことです。
36協定を締結していないと、無制限に時間外・休日労働が行われることになりかねませんので、今後はこの締結及び運用について今まで以上に厳しくチェックされます。

・パワハラ防止に向けた周知啓発の徹底

前述の大手広告代理店従業員の自殺に関して、長時間労働だけでなくパワハラもその原因になったと言われています。
そこで厚労省はパワハラについても、企業に対して今まで以上に指導していく、としています。
当然企業側でも自らパワハラ防止策を掲げ、実行することが求められます。

・ハイリスクな方を見逃さない取組みの徹底

厚労省は、長時間労働によって従業員の健康が害されないよう、以下の取組みを平成29年から行うとしています。

 

 

  1. 月100時間超の時間外・休日労働をする従業員の労働時間等の情報を、事業者が産業医へ提供することを義務化し、面接指導等に必要な情報を産業医に集約する。
  2. 過重労働等の問題のある事業場については、長時間労働者全員への医師による緊急の面接(問診)等の実施を、都道府県労働局長が指示できる制度を整備する。

 

企業としては、できる限り長時間労働を避け、やむを得ず長時間になる場合であっても、従業員の健康に十分配慮することが求められます。また従業員が労務の問題について相談できる場を設けることもおすすめです。

 

現在の企業が負うリスクとは?

ここでは、「過労死等ゼロ緊急対策」のうち、その対策を怠った場合、企業がどのようなリスクを負うのかについて説明します。
特に現在では、従業員がSNS等によって、会社に起こったことを情報発信することが非常に多くなっているため、今まで以上にこういったリスクについて敏感になる必要があります。
実際、前述した大手広告代理店の件では、SNSでの生々しい投稿内容がより人々の関心を集めたという側面がありました。

・労働基準法等の法令違反で公表した事案のホームページへの掲載

労働基準法等の法令違反で公表した事案が厚生労働省のホームページ等で掲載されることとなりました。
法令違反企業がまとめて掲載されるため、「ブラック企業リスト」などと呼ばれることもあります。

・是正指導段階での企業名公表制度の強化

現状では、10人以上または4分の1以上の労働者が、月100時間を超える残業を行っているなどの違法な長時間労働が、1年間に3事業場で認められた場合に、企業名が公表されることになっていました。
これが今回、月80時間超へと条件が緩和されました。
また、過労死等で労災支給が決定した場合も対象に加え、これらが2事業場に認められた場合には企業本社に対する指導を実施し、それでも状況が是正されない場合に企業名を公表するという方針が示されています。

・メンタルヘルス対策に係る企業本社に対する特別指導

複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業本社に対して、パワハラ防止も含め個別指導を行う、特に過労自殺(未遂含む)を含む事案については、新たに改善計画を策定させ、1年間の継続的な指導を行う、とされています。

・長時間労働等に係る企業本社に対する指導

従来長時間労働に関する労働基準監督署の監督指導は、事業場単位で行われていました。
しかし今後は、違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの場合、企業に対する是正指導を新たに実施することとなりました。
具体的には、企業幹部に対し、長時間労働削減や健康管理、メンタルヘルス対策について指導し、その改善状況について全社的な立入調査により確認する、とされています。

 

勤怠管理の重要性について

現在では、長時間労働等に対して、民官ともに非常に厳しい目で見るようになっています。
また、そういった社会的な傾向を反映して、裁判等においても、非常に厳しい対応がなされるようになっていると言われています。
企業にとって、長時間労働等の問題を解消することは経営上最も重要なことの一つとなっていますが、長時間労働の是正は、適切な勤怠管理から始まります。

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