CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

現在では、生産性の向上が企業に強く求められる時代になってきています。
生産性を向上させるためには、従業員も会社の指示に従うだけでなく、主体的に考えて行動し、自らの能力や技能を向上させていく必要があります。

そういった能力・技能向上を支援する方法の一つとして、政府は企業に対して、キャリアコンサルティングの導入を勧めています。

そこで、今回はキャリアコンサルティング(通称「キャリコン」)とはどんなものか、その効果や、関連する助成金についてご案内します。

 

キャリアコンサルティングとは?

「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
職業の選択に関するコンサルティングは、例えば就職活動中の大学生が職業選択をする際にも用いますが、ここでは主に会社に属する従業員に対して、職業能力の開発及び向上目的で用いる場合について解説します。

キャリアコンサルティングについての国家試験に合格した者を、キャリアコンサルタントと言います。
そしてキャリアコンサルタントは従業員と面談することで、その職業能力の開発及び向上を図ります。

どんな面談をするかはケースバイケースですが、例えば以下のような流れになることがあります。

  1. 面談ではまず、従業員に、今までの経験等から、自分の適性や能力、関心などについて考えてもらい、自己理解を深めてもらいます。
  2. 次に、企業内でどのような仕事があるか、どのような仕事をすれば企業の役に立つかを考えてもらいます。
  3. すると、その中から自身に合った仕事を主体的に選択できるようになり、そのような仕事をするために、自身の能力を高めるように動くことが期待できます。

以上のように、従業員は自身のニーズと企業のニーズが一致した、目指すべき仕事やキャリアを見つけることができ、目指す過程で能力開発等に励むことで、より良いキャリアを築くことができます。

 

キャリアコンサルティングの効果は?

厚生労働省が実施した「平成28年度能力開発基本調査」によれば、自らのキャリアについて相談した従業員のうち、90%以上が「役に立った」と答えています。

何が役に立ったかについて、最も多かったのは「仕事に対する意識が高まった」で60%弱の回答がありました。

その他多かったものとして、

  • 上司、部下との意思疎通が円滑になった
  • 自身の目指すべきキャリアが明確になった
  • 自己啓発を行うきっかけになった
  • 現在の会社で働き続ける意欲が湧いた

などがありました。

詳細は、以下のページをご覧ください。
キャリアコンサルティング(キャリアに関する相談)の効果

 

セルフ・キャリアドッグ・人材開発支援助成金について

企業において、キャリアコンサルティングを行うには、セルフ・キャリアドック制度の導入がおすすめです。

「セルフ・キャリアドック」とは、労働者のキャリア形成における「気づき」を支援するため、年齢、就業年数、役職等の節目において定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を設定する仕組みのことをいいます。

セルフ・キャリアドック制度を社内に導入し、実施する企業は人材開発支援助成金(キャリア形成支援制度導入コース)の支給を受けられる場合があります。
支給額は原則として47万5千円です。

なお、受給対象は中小企業のみとなっています。
中小企業の範囲としては、
小売業:資本金の額・出資の総計5000万円以下または常時雇用する従業員50人以下
サービス業:同5000万円以下または同100人以下
卸売業:同1億円以下または同100人以下
その他:同3億円以下または同300人以下 となっています。

セルフ・キャリアドック制度を社内に導入し、助成金を申請する場合、主に以下のような手順となります。

  1. 事業内職業能力開発計画の作成(周知)、職業能力開発推進者の選任
  2. セルフ・キャリアドック制度を規定した就業規則または労働協約を作成(周知)
  3. セルフ・キャリアドック実施計画書の作成
  4. セルフ・キャリアドック制度を盛り込んだ制度導入・適用計画届の提出
  5. キャリアコンサルタントによる、実施計画書に基づいたキャリアコンサルティングの実施
  6. キャリアコンサルティングに基づきジョブ・カードを作成
  7. 支給申請期間は、最低適用人数(※)を満たす者の制度を実施した翌日から起算して6ヵ月間経過した日から2ヶ月以内

※助成金の条件を満たすために、何人の従業員に対してキャリコンを受けさせれば良いかは、会社の従業員数によって異なります。雇用する被保険者数が20人未満であれば1人が最低適用人数となりますが、最大の場合(被保険者50人以上)は5人が最低適用人数となります。

詳細は、以下のページをご覧ください。
人材開発支援助成金のご案内

 

キャリアコンサルタントを探すには

キャリアコンサルタントに相談したい方や、研修の講師などキャリア形成支援について依頼・相談したい企業の方は、キャリコンサーチ(キャリアコンサルタント検索システム)というサイトで、全国のキャリアコンサルタントを検索するとともに、キャリアコンサルティング等を依頼することができます。

キャリコンを利用して、変化の多い時代を生き抜く従業員を養成されてはいかがでしょうか。