CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

最近、コンビニなど日本で働いている外国人が増えていると感じている方も多いのではないでしょうか。

平成29年1月に厚生労働省から発表された「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)によると、日本で働く外国人労働者の数が108万3,769人となり、100万人を超えました。
そのうち、永住者や日本人の配偶者等「身分に基づく在留資格」者が約41.5万人、外国人留学生を含む「資格外活動」での就労は約24万人、技能実習等の「技能実習」は約21万人、「専門的・技術的分野の在留資格」が約20万人となっています。

日本政府が受け入れを推し進めている大学教授や経営者、高度な技術者など「高度専門職」は、平成28年には、約2.5千人で全体の1%にも満たない状況のなか、人口減少による労働力不足の職場での貴重な戦力として雇用されている「技能実習生」と「資格外活動」は、全体の約42%を占め、前年同期比約25%増となっています。

今回はすでに、増加傾向にある外国人労働者の雇用について解説します。

 

外国人労働者を受け入れるメリットとデメリットとは?

外国人労働者を受け入れるメリットは、現場の人材が不足している業種において、外国人労働者を採用することによって労働力を確保できるという点や、事業の海外展開に伴って現地語・英語・日本語が堪能な人材が必要であるときに、専門的・技術的分野の外国人労働者を受け入れることで、企業のグローバル化や国際競争力の強化に役立てることができるという点があげられるでしょう。

外国人を雇用するデメリットは、日本人従業員の雇用とは異なり、在留カード確認や雇用状況をハローワークへ届出する等の手続きの煩雑さや、日本とは異なる価値観や文化や習慣、宗教などがあるため、外国人労働者を受け入れる社内体制を導入し、整備するまで、時間と手間がかかることなどがあげられます。

 

日本で働くことができる外国人とは?

外国人の方が日本国内で働くには、就労可能な在留資格を持っていることが必要となります。

就労可能な在留資格を持たずに働いている不法就労の場合、その外国人本人だけでなく、雇った事業主やその雇用をあっせんした者も3年以下の懲役若しくは3百万円以下の罰金に処される可能性があります。
入管法で定められた就労可能な在留資格以外、たとえば、「技術」という在留資格なのに、居酒屋での調理、工場内での単純作業などに従事している場合や観光で日本へ来ている外国人を就労させた場合も不法就労となります。

日本の大学・専門学校や日本語学校で教育を受けるために滞在する外国人は、「留学」という在留資格ですので、就労することはできません。
しかし、留学中における学費その他の必要経費を補うために、勉学・研究を妨げない範囲内で、アルバイトをすることは認められているので、管轄の入国管理局へ資格外活動許可証を取得することにより働くことができます。

「留学」の就労時間の上限は、週28時間以内で、この時間には残業時間も含まれます。
違反した場合は、資格外活動許可が取り消されてしまいますので、勤務時間をきちんと管理することが大切です。

 

外国人労働者を雇用するときの確認ポイントと届出とは?

外国人を雇用する際には、パスポート、外国人登録証明書、就労資格証明書、資格外活動許可書(留学生などにおける一定時間内の就労許可書)などの書類提示を求め、就労資格や滞在期間、在留資格が更新されているか等をしっかりと確認する必要があります。

確認のポイントは、在留カードに表示された顔写真による本人確認、在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無及び資格外活動許可になります。

また、雇用対策法では、すべての事業主に対し、新たに外国人を雇い入れた場合や雇用する外国人が離職した場合に、その者の氏名や在留資格、在留期間等について「雇用状況の届出」を厚生労働大臣に届け出ることを義務づけています。
これは、雇用保険の被保険者とはならない外国人労働者も対象です。
(在留資格が「外交」、「公用」、「特別永住者」は届出の必要はありません)
外国人を雇用する事業主がこの届出を怠る、または、虚偽の届出をした場合、30万円以下の罰金の対象となります。

 

外国人労働者の雇用保険、社会保険はどうするの?

外国人労働者も日本人労働者と同様に労働基準法や健康保険法が適用されるため、雇用条件に応じて加入手続きが必要となります。

留学生の場合でも労働者として労災保険加入となりますので、労働災害が発生した場合には、労災保険の請求が可能ですし、労働保険の保険料算出時には、留学生の賃金も参入して計算します。
雇用保険について、留学生は、通常「昼間学生」に該当するので、加入対象外となります。

日本の年金制度において、外国人労働者の年金加入期間が短いために日本の老齢年金を受け取ることができない場合、保険料の掛け捨て防止目的のため「脱退一時金」があります。
日本の年金制度に6ヵ月間以上加入した後に、帰国する外国人に対して払い込んだ保険料の額に応じて一定額を払い戻す制度です。

「社会保障協定」という日本と母国との「保険料の二重支払いの防止」と「年金加入期間の通算」を目的とした制度がありますが、対象となる外国人労働者は、協定を結んでいる17ヶ国(平成29年8月現在)の事業所からの海外の親・子会社から日本への転勤や、相手国の事業所から赴任してくる外国人、一時的に日本で活動を行うことになった自営業者が主となります。

日本で現地採用される場合、通常は、日本の社会保障制度(厚生年金、国民年金)が適用されることになります。

 

ダイバーシティ・マネジメントと外国人雇用について

日本の外国人労働者をめぐる環境は、急速に変化しています。

平成29年4月には、「日本版高度外国人材グリーンカード」と呼ばれる高度専門職に対する永住許可の滞在要件を緩和する制度の導入や、同年9月から新たに「介護」の在留資格が開始されています。
また、「国家戦略特区(大阪・横浜)」では規制緩和により、家事代行業者が外国人労働者を各家庭に派遣するという外国人家事労働者の受け入れが解禁となっています。
建設及び造船分野では、緊急かつ時限措置として、即戦力となり得る外国人材の活用促進を図るための措置を講じています。

平成29年3月、経済産業省の「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」において外国人労働者も含めた多様な属性の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限引き出すことにより、付加価値を生み出し続ける企業を目指して、全社的かつ継続的に進めていく経営上の取組のための7つの実践アクションを掲げています。

受け入れる企業側が外国人の特性に合わせた雇用管理・就労環境の整備を実施し、人種・性別・年齢・信仰などにこだわらず、外国人労働者も含めた多様な個性を活用する「ダイバーシティ・マネジメント」によって、組織を強化する経営戦略を図っていくことが求められていると言えます。
参考文献:経済産業省 ダイバーシティ2.0検討会-報告書