CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

最近、コンビニなど日本で働いている外国人が増えていると感じている方も多いのではないでしょうか。

2007年より外国人を雇用している事務所数、および外国人労働者数の届出が義務化されて以来、労働者数は増加傾向です。
厚生労働省より発表された「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、2016年度に日本で働く外国人労働者総数が100万人を超えました。

今回は政府が受け入れを推進し、増加傾向にある外国人労働者の雇用について解説します。

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外国人労働者を受け入れるメリットとデメリットとは?労働力の確保や手続きの煩わしさ

外国人を雇用することによる企業のメリットについて見ていきましょう。

・労働力の確保
少子高齢化により、現場の人材不足が問題となっている業種において、外国人労働者を採用することにより解決することができます。
・企業のグローバル化
事業の海外展開に伴って現地語・英語・日本語が堪能な人材が必要であるときに、専門的・技術的分野の外国人労働者を受け入れることで、企業のグローバル化や国際競争力の強化に役立てることができます。

一方で、外国人を雇用するデメリットやその対応策について考えてみましょう。

・手続きの煩雑さ
日本人従業員の雇用とは手続きの方法が異なるため、必要書類や届出など別に手間がかかります。 受け入れ前に書類やその請求先、届出先などについて確認をしておきましょう。
・文化や習慣の違い
日本とは異なる価値観や文化や習慣、宗教などがあります。 事前に相手の育った文化や習慣などの理解を得て、受け入れる体制(異文化や民族性の理解や配慮)を整えておく必要があります。

 

日本で働くことができる外国人とは?

外国人が日本国内で働くには、就労可能な在留資格を持っていることが必要となります。

不法滞在者や、就労可能な在留資格を持っていなかった場合、また入国管理局から認められた範囲を超えて働いていたりした場合、本人だけではなく、雇った企業や雇用をあっせんした者も罰則の対象となります。
たとえば「技術」という在留資格なのに、居酒屋での調理、工場内での単純作業などに従事や観光で日本へ来ている外国人を就労させた場合も不法就労となります。
外国人の方を雇い入れる際には、「在留カード」などにより、就労が認められているかを確認が必要です。

 

留学生はアルバイト可能?資格外活動の許可が必要

日本の大学・専門学校や日本語学校で教育を受けるために滞在する外国人は、「留学」という在留資格ですので、就労することはできません。
しかし、留学中における学費その他の必要経費を補うために、勉学・研究を妨げない範囲内で、アルバイトをすることは認められています。そのため、管轄の入国管理局へ資格外活動許可証を取得することにより働くことができます。

入管法第19条(抜粋)
日本に在留する外国人は,入管法別表第1又は第2に定められた在留資格をもって在留することとされています。行うことができる活動はそれぞれの在留資格に応じて定められています
許可された在留資格に応じた活動以外に,収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合には,あらかじめ資格外活動の許可を受けていなければなりません

更に、就労時間の上限は、週28時間以内で、この時間には残業時間も含まれます。
違反した場合は、資格外活動許可が取り消されてしまいますので、勤務時間をきちんと管理することが大切です。

 

外国人労働者の雇用と必要書類の確認や届出のポイント

外国人を雇用する際には、パスポート、中長期間在留する者であることを証明する「在留カード」、就労活動を証明する「就労資格証明書」、在留資格の活動外で就労活動を行う許可を受けている「資格外活動許可書」などの書類提示を求め、就労資格や滞在期間、在留資格が更新されているかなどをしっかりと確認する必要があります。

確認のポイントは、在留カードに表示された顔写真による本人確認、在留資格、在留期間(満了日)、就労制限の有無及び資格外活動許可になります。

また、新たに外国人を雇い入れた場合や離職する際に、その者の氏名や在留資格、在留期間などについてハローワークへ届け出ることが雇用対策法にて義務づけられています。

雇用対策法 第二十八条(抜粋)
事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合またはその雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名、在留資格、在留期間その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。

届出の対象となるのは、日本の国籍を有しない方で、在留資格が「外交」「公用」または在日韓国・朝鮮人などの「特別永住者」以外の方です。
雇用保険の被保険者とはならない外国人労働者も対象ですが、使用する様式や届け先、届出の提出期限などが異なりますので注意が必要です。

外国人を雇用する事業主がこの届出を怠る、または、虚偽の届出をした場合、罰則(30万円以下の罰金)の対象となります。

 

外国人労働者の雇用管理。労災、雇用、健康保険、厚生年金加入の必要性

企業は外国人労働者に対して、労働関係法令および社会保険関係法令を遵守しなければなりません。
日本人労働者と同様に労働基準法や健康保険法が適用されるため、雇用条件に応じて社会保険の加入手続きが必要となります。

留学生は労働者として該当するため、労災保険加入となります。
労働災害が発生した場合には、労災保険の請求が可能となり、労働保険の保険料算出時には、留学生の賃金も参入して計算します。
雇用保険については「昼間学生」に該当するので、加入は対象外になり、健康保険・厚生年金もアルバイトであるため、一般的には加入要件を満たしません。

企業が厚生年金に加入している場合、その企業に雇用されている社員はすべて厚生年金に加入させるのが原則です。
ただし、日本の年金制度だと加入期間が短いために老齢年金を受け取ることができない場合があります。短期在留外国人の保険料の掛け捨て防止目的のため「脱退一時金」を請求することができます。
加入期間が6ヵ月間以上、日本国籍を有さないなど、支給要件を満たした方が日本に住所を有さなくなった日を出国住民票転出日以降に請求を行い、払い込んだ保険料の額に応じて一定額を払い戻す制度です。

また、「社会保障協定」という制度もあります。
この制度は、日本と母国の保険料の二重負担を防止し、加入すべき制度を二国間で調整。二重加入を防止します。
また、保険料が掛け捨てとならないために、日本と協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにします。ただし、協定発効済みの国の間のみ有効ですので注意が必要です。

ダイバーシティ・マネジメントと外国人雇用の取り組むべき社内の環境整備

日本国内における外国人労働者をめぐる環境は、急速に変化しています。

2012年に経済成長などへの貢献が期待される高度な能力を持つ外国人について、出入国管理上の優遇措置を実施して受入れを促進。在留資格「特定活動」や「高度人材ポイント制」の導入を行いました。
優遇措置の見直しや、在留資格「高度専門職」などを新設し、2017年4月には、「日本版高度外国人材グリーンカード」と呼ばれる高度専門職に対する永住許可の滞在要件を緩和する制度が導入されました。
また、新たに介護福祉士の資格を有する外国人が介護業務に従事するために「介護」の在留資格が新設されました。

「国家戦略特区(大阪・横浜)」では規制緩和により、家事代行業者が外国人労働者を各家庭に派遣するという外国人家事労働者の受け入れが解禁となっています。
建設及び造船分野では、緊急かつ時限措置として、即戦力となり得る外国人材の活用促進を図るための措置を講じています。

2017年3月、経済産業省は企業のダイバーシティに関し取り組むべきアクションについてまとめた「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を策定しました。
ガイドラインでは、外国人労働者も含めた多様な属性の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限引き出すことにより、付加価値を生み出し続ける企業を目指して、全社的かつ継続的に進めていく経営上の取組のための7つの実践アクションを掲げています。

受け入れる企業側が外国人の特性に合わせた雇用管理・就労環境の整備を実施し、人種・性別・年齢・信仰などにこだわらず、多様な個性を活用する「ダイバーシティ・マネジメント」によって、組織を強化する経営戦略を図っていくことが求められていると言えます。

変化している環境をいち早く受け入れ、企業内の環境整備を整えるため(視点2:アクション④)、さまざまな勤務パターンやルールに対応した「CLOUZA」で勤怠管理業務の効率化を行うことをおすすめします。

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参考文献:経済産業省 ダイバーシティ2.0検討会-報告書

 

2018年10月30日 更新