勤怠管理における休日、代休、振替休日の考え方と勤怠管理システム上での休日管理とは?
決められた日に休みを取得することは、仕事に対する意識やモチベーションを高め、業務効率をアップさせる目的があります。
けれど、急な仕事が入りどうしても休日に出勤して処理をしなくてはいけない必要がでてくる場合もあります。
休日出勤しても適切な休みを別の日に取れれば、過重労働問題リスク軽減にも繋がります。
法律で決められている休みの日や会社で決められている休みの日に出勤して働く場合、通常の出勤日にあらかじめ、もしくは、後から休みを取得する時や、もし、休みが取れなかった時の処理は、どうするのか、休日手当や残業代などの割増賃金などの給与計算の取扱いはどうするのかについて、正しい処理を行うことは重要なことだと言えます。
今回は、会社における休日の制度、振替休日、代休についての考え方や休暇管理を便利に行うためのシステムについて解説します。
「法定休日」と「所定休日(法定外休日)」、「振替休日」と「代休」の違いは?
法定休日
・労働基準法により、使用者が労働者に与えなくてはいけない、毎週少なくとも1回の休日
・法定休日の労働には、3割5分以上の割増賃金を支払う
所定休日(法定外休日)
・法定休日以外に会社が労働者に与える休日
・法定外休日の労働には、週の法定労働時間を超える場合に2割5分以上の割増賃金を支払う
振替休日(休日の振替)
・予め休日と定められていた日を「労働日」とし、そのかわりに他の労働日を「休日」とすること
・法定外休日の労働には、週の法定労働時間を超える場合に2割5分以上の割増賃金を支払う予め休日と定められた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となるので、もともとの休日に労働させた日は「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務は発生しません
代休
・休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするもの
・前もって休日を振り替えたことにはならず、割増賃金の支払いが必要になります
・割増賃金は、法定休日に労働した場合は3割5分以上、法定外休日には2割5分以上を支払う
時々、振替休日と代休を混同されている方がいらっしゃいますが、事前に休日を特定して本来の休日を労働日に振り替えるものが振替休日、休日出勤した日の代わりに事後に休日を与えるのが代休です。
以前のコラムをよろしければ、ご覧ください。 法定休日と所定休日、振替と代休の違い。知っておきたい割増賃金の仕組み。 |
振替休日・代休処理の規定と給与計算上の処理とは?
振替休日や代休を取得させる場合、その運用ルールについては、会社として就業規則に規定しておく必要があります。
振替休日と代休の意味を取り違えていたり、振替休日と代休の制度運営を適正に行っていないと、労働基準監督官から指導され、多額の未払い賃金が発生するような場合もあります。
会社として振替休日制度、代休制度を選択の可否も含めて、制度化し就業規則に手続及び運用方法を規定する必要があります。
では、実際に代休を取得した際に、どのように給与に反映させるのか、参考例をあげます。
<代休取得後の給与計算処理>
会社規定:休日出勤日から2ヶ月以内に「代休」を取得
会社給与締め日:当月末日、給与支払日:翌月25日払い
例)3月4日(日)に休日労働を8時間おこない、4月12日(木)に代休を取得
休取得期限:5月3日(休日労働から2ヶ月以内)
給与清算日:4月代休の締め日が末日のため、給与での代休割増(0.35分)清算は5月25日
いつ休日出勤したか、それに対応する代休をいつ取得したのか、その管理は煩雑なものと言えます。
勤怠管理における代休・休日出勤に関するケーススタディ
■代休には有効期限があるの?
「代休」という制度は、労働基準法上に定められている制度ではないため、代休取得の有効期限に関しては、就業規則等の定めに反しない限り会社が任意に決めることことができます。
しかし、あまりにも長い有効期限を設定すると、代休の精算処理を行うための管理が大変になるため、少なくとも、2ヶ月以内を代休取得期限にするのが実際的と言えます。
■代休を取得した場合、給与に反映するの?
代休を取得した場合は、割増分の支給が必要となります。
休日労働の賃金=基礎部分の賃金(×1.0)+割増単価(基礎部分の賃金×0.25もしくは×0.35)
このうち、基礎部分は代休取得で消えるので、割増賃金分だけ残るという考え方です。
割増率が0.35か、0.25になるかは、法定休日での勤務なのか、法定外休日での勤務なのかによります。
さらに、休日労働した日に、時間外勤務を行った場合は、その時間外勤務した労働分に対して、1.25もしくは、1.35割増分の支給が必要です。
■代休の取得期限を過ぎてしまって、取得できなかったら、どうなるの?
一般的には、取得できなかった代休分は賃金にて清算されます。下記の計算式により、割増賃金と基礎部分の賃金を含めた形で休日出勤手当を支給することが必要となります。
休日出勤の賃金=基礎部分の賃金(×1.0)+割増単価(基礎部分の賃金×0.25もしくは×0.35)
■有給申請を取り消して、代休にするのは可能?
代休制度自体、法律に規定されているものではないため、会社と従業員ご本人の判断によります。
従業員本人が有給休暇申請取りやめて、代休取得に当てたいことを希望し、それを管理する人事担当者などが了承すれば、可能だと言えます。その場合は、就業規則に規定しておくべきでしょう。
休日の定義が複雑だからこそ、勤怠管理システムの導入で人事の負担を軽減
休日出勤管理、振替休日付与管理、代休付与管理を紙やエクセルで実施する場合、少ない人数の管理ならば、可能かもしれませんが、企業の中で取得する人が多くなると、管理をする人事担当者にも限界がきます。
ミスなく勤怠管理業務を行うためにもシステムの導入の検討をおすすめします。
誰が、休日出勤し、振替休日が何日残っているのか、集計し一覧表が出力できれば、人事担当者の負担も軽減できます。
勤怠管理クラウドサービスであれば、インターネット環境から、各個人の打刻から、休日管理を行うことができるという機能が使えるものもあります。
「CLOUZA」上位機種の「CYBER XEED就業」であれば、有休管理に加え、振替休日・代休管理としてペアリング管理などを行うことが可能となっています。
ぜひ、この機会に、アマノの勤怠管理クラウドサービスをご利用ください。