CLOUZA COLUMN

勤怠管理コラム

「定年を何歳に設定するか。」は企業が全く自由に決められることではなく、法律により一定の規制がなされています。

定年は法律によりどんどん引き上げられていますが、現在は更なる引き上げの過渡期とも呼べる時期にあり、少々複雑な制度となっています。

そこで今回は貴社にあった定年制度を選んでいただけるよう、定年や高齢者雇用について定める法律を、詳しく解説します。

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高年齢者雇用安定法が定める「定年」

定年については、高年齢者雇用安定法という法律に定められています。

この法律によれば、定年を60歳未満にすることはできません。そして定年を65歳未満に設定している場合は、65歳までの雇用を確保するため、次のいずれかの措置を導入する義務があります。

  1. 定年を65歳以上に引き上げる
  2. 継続雇用制度を導入する
  3. 定年制を廃止する

平成27年に厚生労働省が行った調査によれば、80%以上の企業が継続雇用制度を採用しています。一方で、定年引上げについては15%程度、定年制の廃止については3%未満でした。

継続雇用制度を採用する企業が圧倒的に多いのは、この制度を用いることで、現状、高齢者雇用について最も柔軟に対応することができるからです。そこで、次はこの制度についてご紹介します。

 

継続雇用制度とは?

まず、継続雇用制度には2種類があります。そのうち、勤務延長制度というものはあまり用いられないため、もう1つの「再雇用制度」についてご説明いたします。

定年が60歳で、再雇用制度を導入している場合、60歳になった際に、一度退職扱いになります。その上で、65歳まで再雇用することになります。
再雇用する際、従来の(60歳になるまでの)契約とは異なる契約を結ぶことができます。今まではいわゆる正社員だった従業員を、再雇用を機にパート社員や嘱託社員にすることも見られます。
雇用形態が異なる契約を結ぶことが可能な点がこの制度のメリットといわれています。
定年を65歳に延長した場合の65歳までは従来の契約通りで雇用しなければならないことと比較すると、継続雇用制度では、企業の状況に応じて高齢者雇用について柔軟な対応が可能となります。

契約を新たに締結する際、従業員と企業との間で労働条件等についての合意が得られず、結果的に従業員が継続雇用されることを拒否したとしても、高年齢者雇用安定法違反となるものではありません。
ただし、企業側は、合理的な裁量の範囲の条件を提示していなければなりません。

なお、60歳時点で再雇用の際は、65歳までの5年契約を結ぶのではなく、1年契約を繰り返すことが多いです。この時、原則として65歳まで契約を延長(更新)しなければなりませんが、能力など年齢以外を理由として契約を更新しないことは認められます。

 

継続雇用制度の経過措置ついて

再雇用制度について、60歳で一度定年を迎え、65歳まで再雇用するということは前述しました。これについて平成25年3月までは、再雇用するかどうかについて基準を定めることが許されていました。例えば、「欠勤率が〇〇%未満の、勤務態度が良好な者のみ再雇用する。」といったようなものです。しかし平成25年4月から、希望する全ての従業員について、再雇用しなければならないと定められました。
そこで、平成25年3月31日までに「継続雇用制度の対象者を限定する基準を労使協定で設けていた企業」については、経過措置として、平成37年3月31日までは、その基準を適用することができます。

ただし、
平成28年3月31日までは61歳以上の人に対して
平成31年3月31日までは62歳以上の人に対して
平成34年3月31日までは63歳以上の人に対して
平成37年3月31日までは64歳以上の人に対して
基準を適用することができるとされています。

したがって、現在(平成30年5月時点)ですと、62歳以上の従業員に対しては、基準を適用することができます。一方で、62歳未満の従業員に対しては、希望者全員を再雇用しなければなりません。

 

無期転換ルールへの対応について

現在の法律では、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、従業員の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールが定められています。
これを無期転換ルールと言います。

通算5年のカウントは、平成25年4月1日以降に開始した有期労働契約が対象です。
そうすると、再雇用制度に基づいて、通算5年を超えて有期労働契約が更新された従業員についても、このルールが適用されてしまいます。ただし、これには特例があります。

適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主の下で、定年に達した後、引き続いて雇用される有期雇用従業員については、無期転換申込権が発生しないとするものです。
特例の適用に当たり、企業は本社・本店を管轄する都道府県労働局に認定申請を行う必要があります。