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2020.02.26

育児・介護休業を取りたいと言われたら?制度をまとめてご紹介します。

育児・介護休業を取りたいと言われたら?制度をまとめてご紹介します。

女性の育児休業取得率は近年8割前後と高い水準で推移しており、最近では男性の取得率も少しずつ増えてきています。
介護休業についても、高齢化の進展により、今後取得率が増えてくるでしょう。
これらは法律上認められた労働者の権利であり、申出があれば会社は取得させなければなりませんので、制度の概要を知っておく必要があります。
そこで今回は、育児休業・介護休業を取得する条件、期間などについて、ご紹介します。

育児休業とは

■育児休業の期間
育児休業は子を育てるための休業ですが、その期間は原則として子が1歳に達するまでです。
保育所などへの入所を希望しているが入所できないなどの理由がある場合、最長で子が2歳に達するまで休業が認められることがあります。

■育児休業を取得できる労働者
育児休業はパートやアルバイトといった労働時間の短い労働者であっても取得できます(日々雇用される労働者は除く)。
有期契約労働者は、申出時点において、次の条件を満たす必要があります。

  • 同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること
  • 子が1歳6ヶ月(2歳までの休業の場合は2歳)を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

また会社は、労使協定を結ぶことで以下の労働者を対象外とすることができます。

  • 雇用された期間が1年未満の労働者
  • 1年(1歳以降の休業の場合は、6ヶ月)以内に雇用関係が終了する労働者
  • 週の所定労働日数が2日以下の労働者

■育児休業中の給与
法律上は、育児休業中の労働者に対して、給与を支払う義務はありません。
以下の条件を満たす労働者には、育児休業給付が支給されることがあります。

  • 雇用保険の被保険者であること
  • 育児休業開始日前2年間に、「11日以上出勤のある月」が12ヶ月以上あること

>>ハローワーク 育児休業給付について

なお、産前産後休業は、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から出産予定日の8週間後までで、産前休業は本人から希望があれば、期間を短縮しても構いません。

一方で産後8週間は原則として就業させることはできませんが、例外として、本人が希望した場合で産後6週間を過ぎており、かつ医師が働くことを認めた場合は、その時点から働くことが可能です。

また、法律上は、産前産後休業中の労働者に対しても、給料を支払う義務はありません。

 

介護休業とは

■介護休業の期間
介護休業は、家族を介護するための休業で、その期間は最大で93日です。
通算93日までなら、最大3回まで分割して取得できます。

■介護休業を取得できる労働者
介護休業も育児休業と同様、パートやアルバイトといった労働時間の短い労働者であっても取得できます(日々雇用される労働者は除く)。
有期契約労働者は、申出時点において、次の条件を満たす必要があります。

  • 同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること
  • 介護休業取得予定日から起算して93日経過する日から6ヶ月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

また会社は、労使協定を結ぶことで以下の労働者を対象外とすることができます。

  • 雇用された期間が1年未満の労働者
  • 93日以内に雇用関係が終了する労働者
  • 週の所定労働日数が2日以下の労働者

■介護休業の対象となる家族の範囲及び障害の状態
介護休業の対象となる家族の範囲は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹及び孫です。
上記の家族が、要介護状態(負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある場合に、介護休業を取得できます。

「常時介護を必要とする状態」とは、介護保険制度の要介護状態区分において要介護2以上である場合などを指します。

■介護休業中の給与
法律上は、介護休業中の労働者に対して、給料を支払う義務はありません。
以下の条件を満たす労働者には、介護休業給付が支給されることがあります。

  • 雇用保険の被保険者であること
  • 介護休業開始日前2年間に、11日以上出勤のある月が12ヶ月以上あること

>>厚生労働省 要介護状態の具体的な基準
>>厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし   P40~

 

休業中の社会保険料について

産前産後休業期間(産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間)については、健康保険・厚生年金保険の保険料が、被保険者・事業主ともに免除されます。

育児休業については、育児休業等開始月から終了予定日の翌日の月の前月(育児休業終了日が月の末日の場合は育児休業終了月)まで、社会保険料が免除されます。

いずれについても自動的に免除されるわけではなく、「育児休業等取得者申出書」や「産前産後休業取得者申出書」を事業主が提出しなければなりません。
なお介護休業については、社会保険料が免除されることはありません。

>>日本年金機構 従業員が産前産後休業を取得したときの手続き >>日本年金機構 育児休業を取得したときの手続き

 

まとめ

産前産後休業、育児休業、介護休業とそれぞれ取得できる条件が法律により決まっています。
その条件を満たす労働者から取得の申出があった場合、会社はそれを拒否することができません。

休業の申出に備えて、一連の手続きをマニュアル化しておくと、休業に至る手続きを滞りなく行うことができます。
またスムーズに復帰できるよう、休職時の情報共有の方法や復帰前面談等、あらかじめ決めておくことをおすすめします。

育児や介護を経ても働き続けてもらえることは非常にプラスになると思いますので、しっかりと対応していきたいですね。