Column

コラム

【繊維業】特定技能制度の利用に必須!「勤怠管理の電子化」とは?

【繊維業】特定技能制度の利用に必須!「勤怠管理の電子化」とは?

2024年3月に、特定技能制度の対象業種に繊維業を追加することが閣議決定されました。
これにより、特定技能の在留資格を持つ外国人材を受け入れることができるようになりましたが、繊維業では「勤怠管理の電子化」などの追加要件が設定されています。
そこで今回は、繊維業で特定技能制度を利用するための要件と、勤怠管理電子化のポイントを解説します。

 

特定技能制度とは?

特定技能制度は、人材の確保が困難な一部の産業分野(特定産業分野)における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有していて即戦力になる外国人材を労働者として受け入れることができる制度です。

従来からある在留資格の「技能実習」は、現場での実習を通じて習得した日本の様々な技術を母国に広める、という国際貢献を目的としていますが、「特定技能」は、人手不足への対応を目的としている点が異なります。

 

特定技能制度の利用には、勤怠管理システムが必要

今回、特定産業分野に追加された繊維業は、これまでに技能実習制度において賃金の支払いに関する違反があったことから、適正な取引を推進するため、特定技能制度の利用に際して4つの追加要件が設定されました。その内の1つが「勤怠管理の電子化」です。

繊維業の追加要件

  • 国際的な人権基準に適合し事業を行っていること
  • 勤怠管理を電子化していること
  • パートナーシップ構築宣言の実施
  • 特定技能外国人の給与を月給制とする

引用:経済産業省 説明資料(繊維業の上乗せ4要件について)

 

技能実習制度における違反事例

厚生労働省では、毎年、全国の労働基準監督署等が外国人技能実習生の実習実施者(技能実習生が在籍する事業場)に対して行った監督指導・送検等の状況を公表しています。

2023年の監督指導・送検状況によると、労働基準関係法令違反が疑われる10,378事業場に対して監督指導を実施したところ、そのうちの73.3%にあたる7,602事業場で法令違反が認められました。

厚労省:法令違反推移

主な違反事項

  1. 使用する機械等の安全基準(23.6%)
  2. 割増賃金の支払い(16.5%)  
  3. 健康診断結果についての医師等からの意見聴取(16.2%)

主な違反事項の上位には、この他にも労働時間・年次有給休暇・賃金の支払い・労働時間の状況の把握などが含まれており、適切な労働時間管理がなされていない状況といえます。

業種別の監督指導状況によると、繊維・衣服製造業の違反率は75.4%、割増賃金の支払いに関する違反は19.0%でした。

厚労省:主な業種の監督指導状況

出典:厚生労働省 労働基準監督署等が外国人技能実習生の実習実施者に対して行った令和5年の監督指導、送検等の状況を公表します

過去には、「終業後に行っていた作業の労働時間を把握しておらず、割増賃金が支払われていなかった」という事例もありました。このケースでは、遡って割増賃金を支払うとともに、客観的に労働時間を把握するため、自己申告方式からタイムカードでの管理に切り替えています。

出典:厚生労働省 外国人技能実習生の実習実施者に対する平成 31 年・令和元年の監督指導、送検等の状況を公表します

 

どんな勤怠管理システムがいいの?

勤怠管理の電子化にあたっては、システム要件として以下の内容が求められています。

勤怠管理電子化のシステム要件

  1. 電子的に出退勤を記録できること。
    ※ICカード、指紋、顔など、代理出勤が不可能な仕組みのみならず、職場設置の1台のタブレットで自分の名前をタップすることで出退勤を記録する仕組みでも可とする。
  2. 手作業を介さずにPCやクラウド等に打刻データが送信されること。(紙からPCへの転記は不可。)
    ※CSV形式はエクセルを使用することで容易に改ざんできるため、不可。
  3. タイムカードで打刻の場合は上記2の対応が可能となっていること。
  4. 打刻時間を修正できるのは原則本人のみ(本人の同意があれば管理者による修正も可)とすること。
  5. 打刻時間を修正する場合、実際の打刻時間と修正した打刻時間の両方を確認することができること。
  6. 自社開発の勤怠管理システムの場合は1~5の要件を満たしていること。

引用:経済産業省 説明資料(繊維業の上乗せ4要件について)

経済産業省では、要件を満たす勤怠管理システムの一覧を公開しており、当社の勤怠管理クラウドサービス「CLOUZA」も登録されています。

勤怠管理の電子化要件登録システム一覧

勤怠管理システムは、導入して終わりでなく、導入したあとも使い続けることが大切です。勤怠管理の電子化の審査事項には、「受入れ事業所で活用されていること」も含まれていますので、労働時間を正しく把握するためにも、従業員の方が使いやすいシステム選定をおすすめします。

 

繊維業の勤怠管理にも使える、勤怠管理クラウドサービス「CLOUZA」とは

初期費用0円で導入でき、打刻した人数×200円からご利用いただけるサービスです。
普段使用しているパソコン・スマートフォン・タブレット端末を使って、出退勤時刻を客観的に記録します。ボタンが大きく、シンプルな画面構成なので、システムに慣れていない方や、外国人労働者の方も迷わずに使用できます。

【CLOUZA】30日間無料体験申込

 

社内社労士 中村文俊

【コラム監修】
アマノビジネスソリューションズ株式会社
社内社労士 中村文俊

この記事をシェアする