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【保存版】勤怠の端数処理「まるめ」のルールとは?知らないと違法になるポイント

【保存版】勤怠の端数処理「まるめ」のルールとは?知らないと違法になるポイント

勤怠管理システムの設定画面でよく見かける「まるめ」。
いったい何のこと?と、手が止まってしまった経験はありませんか?
「まるめ」は使い方を誤ると法律違反になることもあるため、注意が必要です。
本記事では社会保険労務士の視点から、まるめとは何か、違法になってしまうのはどんなケースか、分かりやすく解説します。

「まるめ」とは

就業管理における「まるめ」とは、たとえば15分単位・30分単位など、きりの良い時間(時刻)に切り上げ・切り捨て・四捨五入などをすることです。
端数処理とも呼ばれています。

たとえば、以下のような運用をしていませんか?

  1. 出勤打刻を、きりの良い時刻に後倒しする
    (例)8:53に出勤したが、9:00出勤として労働時間の計算を行う
  2. 退勤打刻を、きりの良い時刻に前倒しする
    (例)18:42に退勤したが、18:30退勤として労働時間の計算を行う
  3. 1日の労働時間を、きりのよい時間に前倒しする
    (例)ある日の残業時間が1時間05分だったが、1時間00分とする

これらの「まるめ」、すべて法律違反です。
まるめには法律で認められるものと、そうでないものがあるので注意が必要です。

 

法律上は「1分単位」での計算が原則

労働基準法では、働いた時間分の賃金を全て支給しなければならない(全額払いの原則)とされています。
まるめによって労働時間をきりの良い時間に前倒しするということは、実際に働いた数分間を労働時間として扱わず、その分の賃金を支払っていないことになります。
法律では、1分単位で集計して賃金を支払うことが原則ですので、労働時間・時間外労働時間・深夜労働時間・休日労働時間などは、1分単位で集計する必要があります。

 

後倒しではどうか

それでは逆に、労働時間を後倒ししてきりの良い時間にするのはどうでしょうか。
この場合は、実際に働いた時間よりも長い労働時間になり、その労働時間に応じて賃金が支給されますので、労働者が有利となります。
労働基準法は、最低基準を定めている法律ですので、基準よりも労働者に有利になる場合は違反にはなりません。

 

どんな「まるめ」ならいいの?

法律では1分単位での計算が原則ですが、実は認められている「まるめ」もあります。

たとえば、1ヶ月の時間外労働・休日労働時間・深夜労働時間の合計時間数は、1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることが認められています。

どんな「まるめ」ならいいの?

こちらは常に労働者の不利となるものではなく、事務簡便を目的としたものと認められるとして、違反にはなりません。

他にも勤怠や給与といった人事業務に関するもので、以下のような「まるめ」は認められています。

 

割増賃金計算における「まるめ」

  1. 1時間あたりの賃金額および割増賃金額
    1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。
  2. 1ヶ月における時間外労働・休日労働・深夜労働の各々の割増賃金の総額
    1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。 

合計時間数と同様に、常に労働者の不利となるものではなく、事務簡便を目的としたものと認められるとして、違反にはなりません。 

 

1ヶ月の賃金支払額における「まるめ」

  1. 1ヶ月の賃金支払額(差引支給額)
    100円未満の端数が生じた場合に、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げること。
  2. 1ヶ月の賃金支払額の端数繰り越し
    1,000円未満の端数が生じた場合に、端数分を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うこと

この方法も、賃金支払の便宜上の取扱いと認められ、違反にはなりません。

 

遅刻、早退、欠勤等の時間の「まるめ」

「3回遅刻したら欠勤1日として扱う」といった処理は、注意が必要です。
たとえ10分の遅刻を3回しても、1日分の欠勤として賃金をカットする場合は、実際に働いた時間までカットされていますので、賃金の全額払いの原則に反し、違法となります。

このような取扱いを就業規則に懲戒規定の減給の制裁として定めている場合は、全額払いの原則には反しないものとなります。
ただし、制裁減給総額は「賃金総額の10分の1」までとされているので注意しましょう。

 

勤怠の「まるめ」なぜやるの?

表向きの理由としては、計算を簡略化して複雑な分単位の計算をなくし、給与計算の効率化とミスの削減につなげるためです。
これについては、就業システムを導入すれば、1分単位でも簡単に集計できるので解決できますし、給与システムとの連携も可能で、1分単位のまま給与計算を行うことができます。

 

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この他の理由としては

  • どこからどこまでを労働時間とするか
  • タイムレコーダーの出勤打刻から退勤打刻までをそのまま労働時間として良いのか

という労働時間の管理に関する課題が考えられます。

たとえば、混雑を避けるために早めに出社する社員や、終業後におしゃべりしていて帰宅時に打刻する社員。
これらをまるめにより、始業時刻前や終業時刻後は労働時間としないように処理したいという理由です。

気持ちはわかりますが、一律にまるめで処理をするのは法律違反です。
実際に労働していない時間を除外したいのであれば、客観的な記録である出勤・退勤データのまるめではなく、従業員からの申請+上司の承認を労働時間の算出のベースとすることをおすすめします。
こうすることで法律違反せずに、本当に働いた時間分だけを労働時間として扱うことができます。

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まとめ

法律では、労働時間は1分単位で計算するのが原則です。
遅刻時間を切り上げたり、残業時間を不当に切り捨てたりするなど、従業員に不利益となるまるめは違法となります。
就業管理システムでまるめ設定を行う際には、就業規則や労働基準法に違反していないか、しっかりと確認しましょう。

 

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【コラム監修】
アマノビジネスソリューションズ株式会社
社内社労士 中村文俊

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